高麗茶碗のひとつで、やや黄色味がかった釉薬をかけ、釉の熔解が十分でないため青く上がったものをいいます。それがかえって茶碗の景色となり、古来より茶人に愛用されてきました。
この茶碗は、半月形に釉薬のかけ残りがあり、赤黄色味の部分と、青味がかった部分とが良い景色を生んでいます。
遠州流12世・小堀紅心宗慶宗匠により、和歌とともに「深山路」と銘が付けられています。
「秋の露 色のことこと おけはこそ やまももみじも 千くさなるらめ」(新選萬葉集)
[半使茶碗]
半使とは、李朝の役官や通訳官のことで、半使が日本に伝えたところからの名称といいます。